臨床検査技師
高度な医学検査に対応する臨床検査技師
臨床検査技師は、患者さんの体から渡される検体をもとにさまざまな機器を使用して健康状態を検査するデータをとる仕事です。
近代医学の進歩により、高度な医療機器を用いることで僅かな検体より非常に多くの情報を引き出すことが可能になっています。
そうしたハイテク機器を正しく扱うには専門の知識を持った人材が必要になります。
臨床検査技師は血液、尿、便、体内から採取した細胞などをはじめとし、必要な機器にかけてデータを収集しそれを医師に渡すことが主な業務です。
その他にも微生物や心電図、脳波といったものの検査も担当範囲となっており、就業をすることで最先端の医療機器に触れられるというところに魅力があります。
医療機器は通常の工場用機械と異なる特殊な仕様をしていますので、正しく取扱ができるようになるため長い学習機会が必要になります。
そのため臨床検査技師は国家資格となっており、取得には専門課程のある大学や専門学校、養成所で必要な単位を履修しなくてはいけません。
臨床検査技師の養成課程は専門学校では3年制となっていることが多く、医療の基礎知識を備えるための授業とともに臨床実習を行います。
卒業時には年に一回の国家試験を受験し、そこで合格をすることで厚生労働大臣より認定を受けることができます。
国家試験合格率は約80%程度で、試験対策ができる学校や予備校に通うことがすすめられます。
臨床検査技師の勤務先と現在の就業状況
臨床検査技師の就職先として主な場所となるのは、大学病院や総合病院、民間の検査センター、保健所といったところです。
地域差などはありますが、一般的に臨床検査技師としての就職率は大学よりも専門学校の方がやや高めとなっています。
これは地域の施設があらかじめ専門学校生から就職枠をとっていることが主な理由で、学校を選ぶときには国家試験合格率とともに就職実績にも注意をしておきたいところです。
国家資格が必要な専門職として女性を中心に人気が高い職業ですが、離職率があまり高くないことから求人数はやや過剰気味となっており、安定的な仕事ができる公的施設などはかなり狭き門です。
そのためより確実に就職を目指すために、臨床検査技師だけでなく他にも医療関連の資格を取得してから就職活動をする人も多く見られています。
大病院だけでなく、地方の中規模病院からも臨床検査技師の求人はありますので、そうした場所で勤務するためには一人で複数の業務を担当できる人材が有利です。
養成学校や大学では複数の医療資格の受験要件を卒業時に満たせるカリキュラムをとっていたりするので、地域の施設で求められる人材はどういったものかということも在学中から研究してください。